リハビリ日記 直腸癌闘病記続編 (2005年8月12日~8月25日)
 
 
 
 
 
平成17年8月12日から未来の明日へ 

  リハビリから明日へ 


8月12日(金)
雨、ベランダがタップリと濡れている。
昨晩は、10時に床につき今朝6時前に目覚める、お腹の突っ張り感の為
2時間周期でトイレに起きるが熟睡感はあり。
朝食ようにピーマン3個収穫する、ベランダの緑生き生きと以前と変わらず。
朝飯前に駅まで散歩を決行、かなりハードで疲れた。食事は、山芋の野菜
炊き合わせとイシモチの煮付け、小松菜のクタクタ煮に七分粥の献立相棒も
なかなかやるな。
今日からボチボチ”親爺の闘病日記”の編集に着手しょうと撮溜めた画像の
整理をする。
快便、これでコントロールが出来れば云うことなしなのだが。
午後、相棒の親爺さんの盆のお迎えの為遅ればせながらお盆のしつらえを
玄関先に設ける、今夕迎え火を焚かねば。


8月13日(土)
曇り、少し前まで雨が降っていたのだろうか風が冷たく重い。
AM6:10 炊飯器より甘い香りがたちこめてきた、ご飯を蒸らすのは自分の
役目。
小便の機能は随分と改善してきている、少量でも出るようになってきた。
便はよく出る、が不規則待ったなし。まぁ腸閉塞になるよりはましか!
これから朝飯前の散歩に出掛けようと思う。
AM8:00 パンにジャム・チーズ・蜂蜜ヨーグルトを食す。
散歩は、テクノガーデンの手前まで、雨上がりの小道をユックリ・ゆっくりと歩く
臍左下からゴロゴロと引きつる感じで腸が存在感を主張する、分かったよと
暫し足を止めると、起がけの蝉の声や小鳥のさえずりに混じり木々達の囁きが
聞こえてきた。時折ザワーと風が訪れ水玉を降らす。
午後より”親爺の闘病日記”の編集に取り掛かる。少しづつ少しづつと相棒より
セーブがかかるがついつい夢中になり尻はジンジン、腰はパンパンと暫くは
体の奥よりしっぺ返しを喰らいしばらく呻く。
便の形状は良好も無差別の便意には閉口する、なんとかコントロールできない
ものか。


8月14日(日)
快晴、バジルの葉越しに黄金色の光が差し込んでいる。
今朝、ジィ-ンと肛門付近の不快な痛みで目覚める。5時を回ったところ起きる
には少し早い、ウオッシュレットで肛門をなだめすかし30分程横になっていた、
腸液のような消化液が降りてきて腸壁の境が沁みているのではないかと思う
のだが。
皆が起き出したらピーマンとバジルを摘もう。
AM10:00 散歩がてらにラオックスにワープロのリボンを探しに行く、予想して
いたとうり有るのはプリンターのインクばかり、帰り道床屋に寄る、0.8ミリの
丸刈り久しぶりの顔剃り非常に気持ちが好い。長い散歩故相棒から心配の
電話を受ける。
午後から日記の編集を行う、大筋の組み立てがほぼ出来上がり後は相棒に
助力を頼み早々の完成を目指したいと思う。
便は、朝一回のみで後はなし。ガスが出るので閉塞ではない、吉兆か?
ただし、相変らず尻痛し。


8月15日(月)
水気を含んだ朝の大気が光を柔らかく放出している。
AM6:40 寝過ごす、昨晩3時頃咳が止まらず、以前であれば拷問のような
苦しみも今はただ咳込みの苦しみのみ。
朝ご飯は通常食、鳥のさっぱり煮・煮凝り・野菜の炊き込み・硬飯よく噛んで
食す。食後会社に業務連絡を入れる。
ベランダの光が輝きを増してきた、さあこれから散歩に出掛けよう。
PM6:00 黄昏。今日はよく動いた、隣町まで電車に乗りさんざん歩く、何時も
の駅までの道を大勢の人に抜かれながら頑張って胸を張り歩いた、久しぶりの
汗が心地よかった。
”親爺の闘病日記”は、相棒の助力で大分はかどる、今週末にはUP出来
そうな予感がする。


8月16日(火)
小雨、薄グレーの雲が高く流れていく。
今朝もジンジンと肛門の痛みで起きる、AM5:00ウオッシュレットで肛門を
なだめ風呂の残り湯に浸かる。昨晩より痔の薬を使用しているが今のところ
効果不明も藁にもすがる思いで当分試すつもり、この肛門痛が治まれば
リハビリが飛躍的に進むのだが。
ワープロの使い方にだいぶ慣れてきた、それに伴いPCに真似出来ない良さを
発見、これからも原稿作りに使用したいと思っている。
これからベランダの整理をしよう、雑草抜きと花柄摘みベゴニアも二周りも大きく
なっている少し刈り込んでみようか。
相変らず尻痛し、誤魔化し透かし痛さこらえ”親爺の闘病日記”の編集をする。
相棒の協力もあり大分はかどる。
便二回、少しづつコントロールのコツが分かりかけてきたかも。
夕食は、バラ寿司と鰻をリクエストする、楽しみ。


8月17日(水)
晴天、オレンジ色の光が満ちている。
朝方の風の冷たさに目覚める、もうそのような季節に移ってきたのか相変らず
肛門痛あり、痔の薬効き目あるようで無いような当分続けるつもり。
一つ嬉しきことあり?勃起する、これで機能は全て元どうりとなる。
後は肛門痛と体力の復元、筋力も追々つけていきたいガンバらねばと細くなった
足を見つめながら心のなかでつぶやく。
それと気がかりが、数日前からお起きがけに立ち眩みがおきるようになってきた、
クラッとした軽い症状ではあるが。
今日の散歩は少し冒険してみようと思う、便のこと上手くいきますように。
入院後始めて車を運転する、問題なし。
散歩の方は便意とのからみで遠くに行けず、代わりに”日記”の編集に勤しむが
こちらも肛門痛で中々集中出来ない、まぁ仕方ないか。


8月18日(木)
昨日に負けない程の晴天。
昨晩も、肛門痛に痛めつけられ元気なし。女々しい姿に我ながら情けなく思う。
娘達の出勤を見送り相棒に肛門を観察してもらう、炎症が酷いとのこと薬を
患部に入れ様子をみる。その様なことで未だ散歩には行かず
家のなかで過ごす。相棒はDELLに向かい”親爺の闘病日記”を入力し、自分は
Macで快気祝いの礼状を寝ながらタイプしている。
カーテン越しに心地よい風が眩しい光と共に足をくすぐる。


8月19日(金)
下腹の突っ張り感で目覚める、相変らず肛門痛し。
朝食後肛門科に行く、大勢の人で90分程待たされる硬いソファーに座らされた
挙句に肛門に指をグリグリ入れられ流石に悲鳴をあげそうになった。見立ては、
痔ではなく手術傷の痛み炎症ではないかとのこと、軟膏を2種類いただく。
術傷の痛みと聞きお腹の傷に手をやると心なしか此方も未だ痛みが有るように
感じられた。「馬鹿者弱気になるな!!」
午後、ホームページの編集を行う。扉のページを作りリンクを貼りと一応の体裁を
整えUPまでいっきに進めた。集中力が不足しているので少し雑とは思うが
今の気力ではこれが精一杯、これもリアルとこのまま公開する事にした。
ページ内の”リハビリ日記”までは手が回らず近日公開で処置をした。
職場復帰まで後一週間、肛門痛の為か気力不足気味 
     「こりゃ 純一 気合だ気合だ気合だ・・・・・・・。」


8月20日(土)
青空、雲一つ無い夏の空色、冷たい風がバジルの葉を揺らしている。
今朝便のコントロールに失敗する、昨晩よりガスが頻繁に出てその流れで油断
してしまった。どうにも気が萎える、朝湯に浸かり気力の充填をはかる。
ここ数日来、故郷の妹夫婦達より相次いで心配の電話やお見舞いの品が
届いたりし、都度電話でのやリとりをする。何十年振りであろうか・・・
この様な長時間話をすることが、懐かしい電話の向こうでお兄ちゃんと呼ぶ、
おかっぱ頭の可愛い妹の顔が見えた。
朝食後”リハビリ日記”の入力を行う。尻の調子良し昨晩に比べたら不思議な
くらい楽、入力も順調に進む。
夕刻、千葉そごうに快気祝いの品を調達に出かける。
明日は、中断していた散歩に行けそうだ何とかこのまま順調にいきますように。


8月21日(日)
晴天、風強く時折ヒャッとした冷たさに尻が疼く。昨晩実験をする、痔の炎症止めの
薬を塗らず寝たところ痛み再発、しょうもない実験をしてしまったと後悔やはり薬は
効いていたのだと納得する。
起き掛けの立ちくらみ今日はまし、食事の量を増やし肝などを多めに採るように
したからか。
朝食後、大阪の友人に電話を入れる、近況・絵の話・今回の顛末など話題が
尽きない楽しい一時を過ごした。
午後散歩に出かける。途中二回便意をもよおす、テクノガーデンのトイレを借用、
ここはウオッシュレット仕様の為助かる。
この散歩時、歩く都度尿道部がピッ・ピリッと今まで経験したことがない不快な
軽い痛みが発生し家に戻ってからも暫く続く、以前尿管を外した時に尿出しに
苦労したときに感じた痛みににも似ているようにも思えるのだが、それが下腹部や
尻にも場所を替えながらゲリラ的にピリッツと起こり実に気持ち悪い。
肛門痛は相変らず続くが痛さ度合いは大分まし、やはり薬は効いているようだ。


8月22日(月)
曇り、南方上に台風が2ッ。永田町にもややこしい台風の目が多数、大事に
成らねばいいのだが。
今朝、便二回いくもスッキリしない、復帰まで後4日こんなことではいけない、
なにか名案がないものか。
昼前、相棒の姉が旅行の途中に立ち寄り暫し歓談する。
午後医師と看護師への礼状を作成する、医師宛には術後の現状報告も織り
込んでおき、このページの事も告知させていただいた。
便の方、中々スッキリいかない。一回で済まず小出しで何回も何回も短い周期で
便意が襲ってくるので始末に悪い。
肛門痛は、相変らず有り。


8月23日(火)
晴天、風強し。ベランダのピーマンに赤みが掛かってきた、赤ピーマンになるまで
育ててみようと思う。
気力・体力供かなり復調してきたと思う、問題は便のコントロールか。
肛門痛は当面苦痛を伴うが気力で乗り切れると思うしそうせねばとも思う。
復帰まで後3日、窓の向こうで雷が何度も何度も鳴っている。


8月24日(水)
曇り、水気を含んだ重苦しい灰色の雲が天空を覆っている、それにしても昨日の
雷は凄かった。
今朝復帰リハーサルを試みる、AM6:00牛乳1カップとお茶1杯を飲み朝湯に浸かり
スタンバイ、お通じを待つが出ない、「待てど暮らせど来ぬ人を」である。やはり
食事をして腸を刺激させた方がいいのかも知れないと明日は30分早めて5時半起き
でチヤレンジしょうと思う、それにしてもこれから5時半起きはキツイなぁ。
昨日の読売夕刊紙に ”切々がん闘病記” の記事が掲載されていたので紹介
したい。

[記事転記]
医療業界に長年身を置いてきた男性が、末期癌を宣告され、東京都内の病院で
緩和ケアを受けながら自らの闘病記をつづり続けている。「患者になって初めて
見えてきた現場の課題」に驚き、書き始めたという男性は、死の恐怖と闘いつつ
「患者本位の医療とは何か」を訴えている。

と大手医薬品卸会社でリスクマネジメントを担当されていた野添満氏(60)の
手記を紹介していた、この記事に大いに触発されて今回この日記の中で次の
ことを訴えたいと思う。

[ 野添氏そしてこのページを見ていただいている皆様へ ]
野添氏の”切々がん闘病記”紹介の記事をよんで共鳴し思いつくままを記したいと
思います。
記事の中で「痛み日記」と題した医師や看護師との交換日記の事が出ていましたが
是非インターネットで公開していただきたいと思いました。私も入院中は、これから
体験する治療や環境の変化や痛みについて、未知からくる不安に随分悩まされた
ものでした。同じ痛みでもあらかじめ頭の中で理解しているのと、不安のままで
受け入れる痛みの度合いが違う事は皆様にも理解していただけるかと思いますが
実際のところ先人の記録で予めこれから体験する試練をシュミレーションできれば
かなり患者本人も周りの家族にとっても精神的に楽になると考えます。
そう云う意味で、この種の実録記の役割に目を向けても良いのではないかと思い
ます。病例・症状度合いなどが体系的に整理分類されて、容易に検索出来れば
患者や家族そして看護師や医師にとって強力なサポートツールに成ると確信します、
現在検索サイトのGoogleで”癌・闘病日記”を検索しますと、30,600件のページが
ヒットします、その内有用なページが1/3程度としても非常にセレクトしにくく必要な
ページを選ぶのに時間が掛かるのが現状です、検索サイトのプロの皆さんどうか
使い易い検索方法を考えていただきたいと切望します。
もし皆様がなんらかの病気を体験される事になったとしたら是非、隣人の為に
記録を残され公開されることをお勧めします。如何でしょうか、助力が必要でしたら
微力ながらお手伝いさせていただきます、ご連絡ください。

昼前に久しぶりに病院に行く。看護師・医師へのご挨拶とk両氏・I氏のお見舞いを
兼ねての訪問、病棟も懐かしく看護師の皆さんも相変らずお元気で頑張っておられ
嬉しく感じた。
夕刻大阪の友人より電話をいただく、この友人病気の達人(?)故、色々アドバイスを
受ける、さすが達人。
復帰まで後二日、計画しチヤレンジし色々リハビリに努めてきたが克服したもの有り
不安を残したままのもの有りと云った状況、後は 「エイ ヤァーッ」 と舞台に飛び
出すのみ。


8月25日(木)
AM5:10 小雨、風なし。暗い薄暗い、4週間前の今頃は明るいオレンジ色の光が刻々
と強さを増し部屋を満たしていたのに、台風の影響か はたまた時の移ろいなのか?
起掛けに牛乳をカップに一杯、20分後に青汁を飲む、只今腸が活発に動き始め
シナリオ通りガスが出だし肛門痛も始まる、今6時これで便がでれば理想的なの
だが、新聞でも読んで待とうとしょう。
AM6:25 一回目のお通じ、大きいカリント大 2本 6:45朝食、7:10 二回目の
お通じ カリント大 1本 9:20 小さいカリント 2本とほぼ順調に推移する。
AM10:00 退院後初めての診察を受ける、問診に続き腹部の目視確認、採血を
受ける、肛門痛に関しては現状の処置で様子を見ることとし、便のコントロールに
関しては整腸剤の成分を替えてみようと云う見立てを受けた。

今PM5:45 風・雨なし、台風11号対策としてベランダを整理した。
相棒は 明日のスーツの用意をしている。自分はこれからネクタイを選ぼうと思う、
勝負色の赤系ネクタイを。


 
 
 
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