品種・カレンベリー 4代目栽培記録 
(2014年8月13日~2015年5月27日)
 
 
 
三代目太郎株の一番ランナー 
 
この記録は、2011年11月2日に購入栽培を始めた ”カレンベリー”種(交配種
 「はつくに」×「てるのか」)のランナー更新による4代目栽培記録です。


孫に手作りのイチゴを食べさせたいとの想いで始めたイチゴ栽培も4年目、
栽培を重ねるごとに疑問や興味が深まり、今では私のライフワークのように
なっています。
今期4代目栽培セカンド目標は、3代目栽培で期待していた次郎株の思わぬ
不作原因を究明したいとの想いがあり三郎株を親株としその次郎株と三郎株の
栽培比較を計画していました。然しながら、目的の三郎株(左下写真の左端鉢
受けしていない葉状のもの)を鉢上げする前に親株を弱らせてしまい健全な
三郎株を得ることが叶いませんでした。
そこで急遽予定を変更し、三郎株の太郎・次郎と太郎株の太郎の三株で、
太郎株の優勢・劣勢遺伝の検証に方向転換し4代目栽培記録を行なって
いきます。 さてさて、どの様に成りますことか・・・

そうそう、ワイルド・ベリーと云うラベルで売られていた野イチゴの一種
(下2段目左写真 右端)も栽培比較のため栽培し始めました、興味をもたれ
ましたら別ページになりますがご覧ください。
 
 
定植前準備 
 
   
  8/13 三郎株ランナー切り離し直前の様子
 左から三三(ランナーの先端の緑部))・三次・三太
8/13 ランナー切り離し後 左から太太・太次・三太・三次
左から二つ目、太郎株の次郎は他家にて育成中 
   
   
 9/10 鉢増し後 左から太太・三次・三太・ワイルドベリー 9/29 栽培用土の準備 
 
 子株の生育度合いが著しく違うので苗の養成期間を少し長くし、鉢増し(ランナー
鉢上げ時の鉢を一回り大きくし用土にも肥料分を加え)を行なった。

9月29日に定植栽培用土の準備をおこない、成分を馴染ませることにした。

用土成分は凡そ
(園芸培養土3.5:日向土2:赤玉土(硬質)2:腐葉土1:鶏糞0.7:石灰0.4::化成肥料0.4)
日向土と硬質赤玉土を使用したのは、水捌けを良くしたいとの思いからです。

今後の栽培記録での株表記を次の様に定めますので宜しくお願いいたします。

  太郎株の太郎(太太)=T・1
  三郎株の太郎(三太)=S・1
  三郎株の次郎(三次)=S・2


また太郎株の次郎、三郎株の四郎・五郎株は、他家で栽培されていますので
収穫情報など入手できましたらそちら
も記録したいと思っています。
 
 
2014年10月17日 定植 
 
   
S-2株の根張り   左から S-1 S-2 T-1
   

 台風19号の通過を待ち、10月17日に定植を行なう。

ここで思わぬトラブル発生、9月29日に配合し馴染ませていた自製の用土に
カビの発生を確認、発生部分を取り除き消毒し予定どおり自製の用土を使い
植えつける。
但し、S・1とT・1を植え付けS・2は市販の培養土(プレミアム)単用とした。
これは、カビの影響で全作が全滅することを防止する為と、カビの影響がない
場合にはS・1とT・1の太郎株の遺伝確認が予定通り行なえる事と、S・2の
生育状況で自作用土と市販用土の効果比較が期待できると考えたからです。

苗の鉢増しから37日目のS・2株の根張り(左上写真)はまずまず、3株とも
根を切らず植え付けを行なました


 
2015年1月5日 現況 
 
 
左 S1 ・ 真中 S2 ・ 右 T1 
 
   
S1(三郎の太郎)のクラウン  S2(三郎の次郎)のクラウン 
   
   
T1(太郎の太郎)のクラウン  同日のワイルドベリーの様子 
 
 10月17日の定植以来久々の記録となります。
10月17日の定植時の用土のカビの影響もなく、各株共順調に成長している。
又自製ブレンド用土と市販の用土の差異も今のところ感じられない。
全景写真で見るとS1が少し成長が遅れているように見られるがクラウンの充実
ぶりには差異はなく、むしろ詰まった形の良い形状が見て取れます。
親株の3代目(2013年11月に花芽生成、同年12月1日に太郎株3花・三郎株2花を
摘花)の様に、花芽のフライングは今のところ観られず、其のところも好感がもます。
他方、比較栽培しているワイルドベリーは、野生種の本領を発揮し次々と花芽を
生成し、熟果も只今まで7個収穫するに至っています。

今後の課題は、若干の辛目の水管理を心がけ、このままのペースをキープ出来
ればと考えています。
 

 
2015年1月23日 T1株に花を発見 
 
   
左上のT1株の写真は、1月5日の写真に比べ葉数が少ないのは古葉刈をしたからです。 
 

 T1(太郎の太郎株)に花が!

前回1月5日のクラウン観察時には蕾生成の兆候が認められなかったT1株
に花が咲いているのを発見。
株親の3代目は11月に花芽が生成し摘花した経緯があり、今年に入っても
4代目に冬季の花芽生成が観られず株の育成は順調に推移していると思って
いたところ、図らずも今回の開花発見と成った次第です。
観察を怠らず、花芽生成を察知していたら摘芽を選択したところでしょうが 
右上の写真の如く美しい花を観たら摘花できず、このまま推移を見守って
いきたいと 思いを改め、人工授粉を施してみました。

花の直径は、33ミリです。(ちなみにワイルドベリーの花径は平均18ミリ)
 
 
  2015年3月29日 (現況)
 
   
左(S1) ・真中(S2) ・右(T1)  T1株を横から見たところ 

 2ヶ月ぶりの更新です。

2ヶ月の間、水遣りと適度な古葉刈りをおこない現在に至る。その過程で
1月23日の花は、その後の生育が芳しくなく摘花した。
1月5日の現況写真と比べ、S1とS2の生育状態が同等となり、T1の生育
振りが顕著化してきたのが観てとれる。
T1株だけ考えれば、2月頃に鉢増しすれば収穫量・品質等に効果が期待
できると思えるが、今期は3株の成長比較も検証したく、鉢増し効果の
検証は次回に持ち越しとします。

ベストシーズンに入り、更新4代目株の成果や如何に!
更新劣化 or 遺伝劣化は如何に? はたまた優勢更新は可能か??
孫に無農薬の美味しいイチゴを一杯食べさせられるか???
さてさて、ベストシーズン入り正念場であります。この3株今後どの様に
生育してくれることでしょうか!
 
 
 2015年4月17日 (ランナーを発見)
 
   

 T1・S1株にランナーが生成していました、予想より早い発生で、とりあえず
除去しました。


只今のところ株勢は旺盛、花も次々咲き出しています。4月に入っての寒波の
影響は今のところ見受けられない。
 

開花状況) 
 株 名   開花数   花芽数 
 T-1
 7
 6
  S-1
 4
 4
  S-2
 10  3

 開花した花の大きさ(直径)は、34ミリ~40ミリと比較的
揃っており 順次人工授粉処理をおこなっています。
 
 
  2015年 5月1日 現況
 
    

 4月下旬以降の初夏を想わせる陽気に3株とも元気旺盛と生育しています。
実もだいぶ大きくなりました。今のところ一番大きいものでは直径24ミリ×長さ24ミリ
で、色も薄緑色から白っぽく変容してきています。
花も発生数は少なくなって来ていますがポッポツと途切れることなく咲き続けています。

今回は冷害障害による摘果も只今まで3株合計で4個と少なく、実成り状態も良い
ように感じられます。
 
 
2015年 初収穫 
 
 
<5月4日時点の実成り数>  太・太(T・1) 15個  三・太(S・1) 6個 三・次(S・2) 12個  
 
5月4日 三・次(S・2) 初収穫 
   
  S・2 h28×w27  9g 
 
5月8日 太・太(T・1)  三・太(S・1) 収穫
   
T・1  h33×w30 11g  S・1 h33×w38 18g(写真左端) 
 
5月10日 孫による今季初イチゴ狩り 
 
   
写真右 小さな丸い果実は、ワイルドベリーで、重さは一個あたり平均1g弱です。 
 
5月11日 収穫 
 
 
写真左から太・太(T・1)16g  太・太(T・1)12g  三・太(S・1)13g  三・次(S・2)11g 
 <只今までの所感>

作柄は、3代目(昨年産)より良い。
姿・大きさ・色もスーパーの標準価格品と比べても遜色ないように思える。
味に関しては、早取りすると酸味が勝るが充分熟させると甘味が増し美味い。やはり
イチゴの品質は、土創りが大切で、肥料の与え方等、次年度の栽培目標のヒントを
得たように思う。
2014年10月の定植時のトラブル(用土カビ発生)で、自家製用土(T・1 S・1)と、
市販用土(S・2)とに分けて栽培したが、どちらの用土でも作柄には影響なかった
ように思える。
水捌けがよく、肥料持ちがよい、ボーディーの確りした基本用土を使い、必要時点で
必要肥料(有機)を与え続けることが、作柄向上の要諦と感じる。
4代目の品質向上(今まで世代に比べ)の作用因は、次の事項と推測されます。
1)幼苗育成期間を少し長くした。
2)上記期間中に鉢増しをおこなった。
3)追肥の回数を増やした。
しっかりした苗を育て、地力のある用土に定植し、有機肥料を適時あたえる、この
3項目が特に作柄を左右する要諦ではないか?と、感じた。
また、用土のカビ(使用時には、カビていた部分は取り除いた)の影響は見受け
られなかった。
 
 
5月12日 収穫 
 
 
 写真左から(T・1)10g (S・1)10g 9g 12g (S・2)25g 42×40

 
 台風6号接近の報を受け、収穫を早める。
もう1日以上完熟させ甘味を増すと共に右端のS・2(三・次)の実を肥大させたかっ
たが強風で株が揺さぶられているのを見るに偲び難く、摘み取りをおこないました。

試食結果、良! 甘味・酸味とも好し
 
 
5月13日 強風被害状況・収穫 
 
       
 
 
早摘み実 写真左から S・1(13g) S・2(12g) (9g) 

 台風6号くずれの温帯低気圧による強風の影響で株に大きなダメージを
受けた。
特に、S・1(三・太)株はペシャンコに倒れ、一部は株基からちぎれていた。
ちぎれ具合(姿)が良かった
ので花瓶に入れてみたが、これがなかなか様になっているように思う。
このまま1~2日経過させ、実が熟せば一石二鳥なのだが・・・

ダメージを受けた株の負担をやわらげる為、S・1株とS・2株の実を早摘みした。
味、マアマア、悪くなかった。
 
 
 5月14日 三・太(S・1)ちぎれ株の顛末 
  
   

 前日花瓶に投げ入れた”ちぎれ株”は、翌早朝(am3:00)ものの見事に左上写真に
成っていました。
水揚げ力が弱く、また大きな葉っぱでは生け花の様にはいかないようです。
ただ、実は前日より全体が赤く色付き追熟しているのが見て取れました、で、試食。
スーパーの廉価品、小粒で¥298-で売られているレベルの味でした。
 
 
5月15日 収穫 
 
 
写真左からT・1(20g) (8g) (7g)  S・2(21g) (10g) (5g) 

 上写真右2つ、S・2の(10g)と(5g)は、早摘みしたものです.。強風で実付き枝が
垂れ下がりこのまま放置すると傷が付く可能性がある為収穫しました。
味は、酸味が強いものの悪くなかった。

また、その他の実は、家人達が食べ好評を得る。
 
 
 5月17日 収穫 / 三・太株(S-1)処分
 
 写真左からT・1(16g) (8g) (6g) S・2(16g) (11g) 
 収穫もそろそろ終盤、新しい花の咲く気配なし。
先の大風による株へのダメージ回復せず、被害が大きい三・太(S・1)株を本日処分し
、太・太(T・1)株も収穫しだい処分する予定。
今のところ、三・次(S・2)株を次年度(5代目)の株親に予定し株勢の回復を図っ
ていきたい。
 
 
5月20日 収穫 
 
 
  写真左からT・1(6g) (4g)
 本日、太・太株(T・1)から2個収穫、小粒で酸味強いものの風味良(私好み)。
太・太株は、先の大風のダメージで新葉の展開が見られるものの株勢の衰えは
回復せず。未熟実は残り2個、何とか完熟までもっていき有終の美を飾らせたい
ものとおもう。
三・次株(S・2)は未熟実4個、新葉の展開も強く株勢良好、小さきランナーの
頭が2本生成しはじめてきた。
このランナーは間引きせず次年度株ように育成していく予定です。
 
 
   
T・1株   S・2株 
 
 5月22日 収穫 太・太(T・1)株処分 
 
 
写真左からT・1(8g) (5g) S・2(10g) (7g) 

 本日、太・太株(T・1)の最終収穫をおこなう。
写真左 T・1の2粒とも自身が食す、株勢の衰えの影響かややボケた食味で
ある、その後株処分する。

当初検証目的の太・太株の優勢・劣勢遺伝の兆候は感じられなかった。

株親の昨年太郎株よりは作柄は良かったがその要因は、用土・肥料と春先の
特異な気候によるものが大きいと感じています。
 
 
 5月23日 三・次収穫
 
 
 S・2(12g) 

孫のリクエストにより収穫。孫の評価「あま~ぃ~」との、こと。 
 
5月27日 三・次 収穫最終日 
 
   
 
 

 5月27日をもって4代目の収穫を終了する。

収穫最後の一粒は、小粒であるが品質良! 
次代に向け
良質なランナーも生成してきている、5代目栽培については只今
計画中で、確定しだいお知らせしたく思っています。
 
 
 
 
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