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老耄記 2019/11 起筆~ |
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< 老いのほそみち 放浪放言録ー9節 > |
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(40) 2021/10/13 隠居生活 その二 |
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手前側の建物群が瑞穂・奥の建物群が新都心
(大賀ハスふるさとの会promotion videoより借用)
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「・幕張銀座と云うさびれた商店街を
抜け、民家の細い道を通り、国道14号
沿いにポッンと建つ団地に近づきつつ、
傍らを歩む妻に何か申し訳ない気持ち
になった事や、団地のドアを開け なか
に入り設備が想像していた以上に整っ
ていて、妻が満足してくれた時の安堵
感が今でもリアルに思い出されます。」
1987年3月、城南事業所開設に伴う
転勤により幕張の地に移住。
さきの文は転勤に先立ち末娘の入園
手続きに初めて借り上げ社宅を訪れ
た時の心境です。
貝殻まじりの荒涼たる埋立地を前に、
私達は 夫婦から少しづつ相棒へと
変容していきました。
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(上の文章は、退職にあたり 社内誌に
寄せた4連載の3章目の前置きです)
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「 序 」 |
転勤に伴い会社が提示した借り上げ社
宅の候補地は2箇所、一つは赴任地に
近い既存の街 保土ヶ谷、もう一つは新
都心計画が進む幕張埋立地でありまし
た。一から街が生まれる過程を観てみ
たい 体感したいとの思いで二者択一
したものの、さすがに何もないところに
胸を張って妻を連れていく鉄面皮根性
は無く 心境前置き文の如しで ありまし
た。あれから34年間のあれやこれやは
別の機会に委ねるとして、吾の隠居感
の萌芽を先の逸話に託し 話を先に進
めていきたいとおもいます。
さて・・・
職を辞し身の振り方を様々考え、当地
に骨を埋める決心をし終の住処探しを
始めたのが4年前のこと。
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(散策路より 居住団地の建物遠望) |
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「 瑞穂の地 」 |
この地に終の棲家をと、定めたのは 一に
中古マンションのチラシが発端、値段も魅
力ながら それ以上に立地が吾に取っては
好ましかったから。
当地は、2度ほど区の ”歴史散歩” 企画で
訪れた処で鎌倉幕府開幕の立役者千葉氏
の所領地に隣接し、歴史遺産もあり緑多き
ところ、難点は 区画整理事業で水田を埋
め立て造成された土地であると云う事。
それでも当該マンション群に 東日本大震
災で被害が出なかったという実績と、いず
れにしても新都心の地盤よりはとの思いも
あり現調することにしました。
3軒 内覧するも 気に入らず、不動産屋が
最後に出してきたのが今の我が家。
さすが不動産屋が最後の切り札として出し
てきただけのことはある!間取り・見晴らし
とも及第、相棒の智津子さんも大満足!
購入即決、ついでに共有財産と生前贈与
で物件の名義人は 相棒6:娘4とし、吾は
同居人となりました。
34年前 想像だにしなかった何もない荒野
に連れてこられ、開発終了までのの日々
を浜風と塩害に抗い、買い物の不便さに
も不満も云わずサポートしてくれた相棒へ
のささやかな気持ちと供に 死後の処理へ
の配慮でもありました。
まぁ~これまた隠居のつとめ!!
「いよっ ご隠居・・・」
ここで、大向こうから声が・・・
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(ベランダ呑みの肴 マジックアワーの一コマ) |
「 隠居生活の日々 」 |
隠居を辞書を引くと、世事を捨てて閉居
する事・老人の称とある。
さて、吾が隠居生活や如何に・・・
月曜から金曜までの5日間は、6時起床し
孫の通う小学校(眼下)の巡回見守りに
出る。以前 川崎で起きた児童無差別殺
傷事件の様な暴徒に遭遇した場合の心
算は一応持ってはいるものの・・・
あとは、月2回のボランティア活動と週一
の畑仕事にマンション役員業務が二つ、
とは言え、そんな拘束はすぐ終わる。
余った時間をどう使う、 これを乗り越え
たら次の休みにアレやってコレやってと
思うから実際やっても楽しく感じるもの、
毎日が日曜日となると・・・
現役時代 羨望していた隠居生活も体現
すると、閉居するでもなく老人と称するに
は血の気多く、何ともはや。
目の前の花見川にハゼ釣りに行くでもな
く、日がな一日 卓前に座り もそもそで時
間をつぶす、腹は出るわ 脚力は弱るは
就寝中に足が攣るわ で、始めたのが食
器洗いに洗濯物の出し入れ、これも真剣
にやれば結構な労働、これに買い物に
育児・炊事洗濯エトセトラ、いやはや 嫁
さん業の多忙な事を今更ながら再確認し
つつ、目指せ ”好々爺” 作戦は 難航し
つつ 続く。
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(39) 2021/10/6 隠居生活 その一 |
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夏の間に付けていた目ぼしと 枯れ残った
つるを探り ひたすら掘り棒を突く。
自生の自然薯ほり、教えてくれるのは地元
の先輩 Mさん。
堀り棒の天端近くまで掘り進めねば採取が
叶わない、自然薯の値段の高さを齢70を過
ぎて納得する。
草ぼうぼうの荒れ地に鍬を入れたのは3年
前のこと
落花生の豆を蒔き、水を遣りネット掛けをし
カラスやハクビシンや狸と戦い育て 挙句に
しょぼくれた実を収穫す、千葉産の落花生
の高き 値段を今更ながら、容認す(渋笑)
南瓜然り、ナス・ジャガイモ 然り・然り
頭皮を叩く太陽にも負けず、腰痛にも抗い、
堆肥を作り、鍬で土を耕し、草取りをし、
頑張ってきた挙句が・・・
それをおもえば、スーパーの店頭に並ぶ
野菜達の何と安きことか。
色々な体験を通じ様々な知見を得 緑に囲
まれ 思い切り汗をかけるこの境遇 の何と
ありがたき事か。
いやぁ~よかぁ~ ほんとうによかぁ~
それもこれも 34年前に給料取りの宿命
転勤で家族共々埋立間なしの幕張新都
心に移住し以後ひたむきに働き、4年前
幕張郊外の瑞穂を隠居地と定め再移住し
た事が発端。地域に同化しようと参加した
イベントで出会ったのが Sさん。
それからトントン拍子 ボランティア団体に
所属してからは、出会うは 出来るは今ま
でとは異なる 友人達が!
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畑仕事の師匠 Oさん、畝作りにも差し棒を
つかいロープで位置決めする。
何と効率の悪き事か、そんなもん目検討で
ええやないかと思う吾の所作を 身を以て
直してくれる。
生きてきた世界が違い、性格も人それぞれ
郷に入っては郷に従え、いやぁ~愉快。
「いやぁ~人生てろん何てろん」
ゆかい ゆかい !!
さてさて、吾が 5年後や 如何に・・・ |
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(38) 2021/09/10 総裁選挙 |
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ネットニュースに 上の記事がありました。
”菅首相 総裁選不出馬直後に 株価急騰”
敗者に鞭打つ、何ともはや・・・
菅氏は世襲議員でなく議員秘書からの叩き
上げで首相に成られた苦労人?、齢も近い
こともあり同情を禁じ得ません。
とは言え・・・
民主主義国家のリーダーは、健康な力強さ
を示し 国民に安心感を与えられなければ
なりません、たとえそれが演技であっても。
さて、総裁選挙・・・
告示の期日が近づき選挙出馬候補の動向
が連日報道されていますがどうもそれらに
接すると井上陽水 ”傘がない” の歌詞が
脳裡に浮かんできます。
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♪ テレビでは我が国の将来の問題を
誰かが深刻な顔をしてしやべっている
だけども問題は今日の雨 傘がない
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の家に行かなくちゃ 雨にぬれ・・♪ |
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さてこの歌詞の”傘”を”票”に置き換えて
暗唱してみてください。皆様はどの様に
感じられたことでしょうか?
私は、”出馬に向けた環境整備” と称し
領袖や有力議員に会いに行く候補者の
姿が想起され 行くたびごと所信・信条が
修正されていく様が感じられます。
次の総理には、陰の権力者の手の平で
踊りを踊らない胆力ある人に成って頂き
たいものでが、さてそれは無理なのでし
ょうかね。
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(37) 2021/06/30 今日も また・・・ |
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今日も また・・・
黄昏ベランダ呑みの 肴が・・・
16時になると隣接地の小学校校庭に学童保育
の子等がわらわらと現れいでます。1年生から
6年生の子等が歓声をあげ校庭を走り回り、あ
るグループはドッジボールを、其方のグループ
は鉄棒に、あるいは鬼ごっこに興じと実に楽し
そうであります。私は年齢が異なる子供たちの
混在した遊びや行動を観るのが好きだ。
♪夕焼け小焼け・・・♪ が流れ 校庭の歓声が
消え過ぎると、何時もの3人組が現れサッカー
の練習を始める。年長が年少二人にサッカー
を教えるがこれが実に上手い!年下の子も
従順 見ていて気分が好い!
”マジックアワー”前の一時、定番のシーンを
肴にチビ呑みすると 何時しか時空が 60数年
遡ってゆきます、田圃の畔道を近所の子等と
駆け回り 喧嘩をしたり 悪さをしたり・・・
ガキ大将は”けんちゃん”、この けんちゃんは
今想うと決して良きリーダーでは無く ただた
だ 近所のガキ内で年長者であっただけの人、
故に 我がグループは 付近の他の ガキグル
ープから それはそれは酷いいじめを受けた
ものです(笑)
とは言え、けんちゃんには色々な事を教わり
ました、よき事も 善からぬ事も 悪きことも。
あれから60数年、善からぬ事や悪きこと atc
教わりし数々の知識や当時の出来事の彼是
のお陰で 今日の吾が在ると云えば少しオー
バー過ぎると思うものの 学校で教わりし教科
の あれやこれやよりも 当時の知見の方が
その後の世渡りには役立ったのは疑いなし!
梅雨寒の夕、何時もの3人組が今日もまた、
何を話しているのだろうか?酔いふやけた
脳みそが 眼下の話を想像し、或は 3少年の
未来に想いをめぐらし・・・
今日もまた、黄昏ベランダ飲みが過ぎてゆく。
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(36) 2021/06/11 酔いどれワード列 |
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「 高き屋に のぼりて見れば 煙たつ 民のかまどは 賑わいにけり 」 (日本書記/仁徳天皇)
吾もまた、黄昏時のベランダに 焼酎片手に佇み
眼前の街並みを肴に 仁徳さんに負けじと グビリ
2021年の今日、民のかまどから煙モクモク 望む
可くもなく、コロナ禍の日本経済や如何に? との
思いも ほろ酔いで雲散し、唯々チビチビ グビリ
これじゃぁ~如何! と言うことで、
吾が隠居地周辺の民のかまどや いま如何に?
の想いも込めて ”令和3年経済センサス”調査員
に応募 調査活動に参加させていただきました。
受持ち区は・・・
上写真のビル群の手前 普通の民家が密集して
いる処、この場所を古地図でみると 舌状台地と
旧海岸に挟まれた狭き場所、1894年(明治27年)
に鉄道駅が開場するも昭和41年から始まる海岸
埋め立てまで 「家の裏がいつも磯臭かった」
との逸話も残る その様なところ。
古き家屋が密集し、生活道路は狭く入り乱れ・・
いやはや、調査始めは戸惑い困惑を覚えたもの
でした、然しながら2回3回5回と探索(調査)を
重ねると これが実に面白く 歩き回るほど興味が
深まってきます。 吾の認識では 会社というのは
建物の大きさは兎も角 玄関先はそれなりの体裁
はあるもの それが此処では多くの会社が普通の
民家で看板もない 何ともはや・・・
書類上の地番を確認しつつ周辺を探査(徘徊)
するも 対象会社を発見適わず 現調が適わない
のであれば奥の手のネット検索で・・・
いやぁ~出るわ出るわ、仕事の内容も 家屋の
全景写真も連絡先の電話番号も、それらをプリ
ントアウトして現場に直行し、社屋であろう住宅
の前で電話しコンタクトをとり調査票を渡し任務
を遂行していく。ネット検索の利便性を実感する
と共に、ネット社会だからこそ社屋も看板も必要
が無く、こんなところで商売が・・・
という発見が多々あるも 調査員の守秘義務が
あるのでこれ以上は・・・
それにしても、現代の商売人のタフさ振りには
驚かされました。
丸の内のエリート商社マンも凄いけれど、市井
の起業家たちも負けてはいません!
これから先、黄昏ベランダ呑み時に 眼前の暗き
箇所の彼方此方に あの時お会いした方々の顔
が旨き肴として浮かんでくることでしょう。
いやぁ~実によき体験をさせて頂いたものです。
とは言え!!
国勢調査然り、経済センサス調査また然り、
はたまた マイナンバー然り しかり!
「ちいっと 税金の無駄づかいやおまへんか ネットの力や市井のマンパワーを勉強され たら どうどっしゃろ~」
タイプ打ちうち お湯割りをチビチビやっていたら
先のワード列が脳裡に浮かんできました
いやはや・・・
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