3代目栽培記録 2013年7月14日~2014年6月9日 
 
2013年7月14日 (3代目の苗取り) 
 
 
2013年7月14日 三郎株(左)・次郎株(中)・太郎株(右) 
 
 ランナーから出ている各芽を、ランナーを付けたまま3代目採取の為小鉢にピン
 留めし、根の生成を促します。

 右端に少し見えているのがは2代目の親株です。何本ものランナーが生成して
 きますが其のうちの勢いのあるランナーを選んで他を摘み取り育成してきました。

 
 <参考>
 (時間経過とともにランナーは伸び続け、芽の部分上部に葉が生成し、そこから
 先にランナーが伸びだすとともに芽の底部から根が出てきます、この様に子株
 の先へ先へとランナーは伸び続け子株を増やし続けていきます。
 ちなみにイチゴ農家では一株の親株から 数本のランナーを使い100株以上の
 子苗(定植苗)を採って いるとのことです。)
 
 
2013年9月27日 (本鉢に定植) 
 
 
 2013年9月27日 ランナーを切り離し定植しました。
        左から 太郎株・次郎株・三郎株となっています。 

 *(注)写真上の鉢植え(鉢上げ)と左右入れ替わっています。
   (以後説明写真の順番は変わらず)

<今回使用用土>
 赤玉土(4)+野菜用用土(3)+腐葉土(2)+鶏糞(0.8)+石灰(0.2) 
 
2013年12月1日 現況・摘花しました。 
 
 
 
 2013年12月1日の様子
 
枯れ・傷み葉を切り取っていますので成長差があるように観察されますがクラウンの
形状には、さほどの差異は観られない、ただ生理面では、太郎株・三郎株に花芽が
生じており撮影日に摘花を行いました。
 
   
  株育成のため摘花を行う
 左写真2013年12月1日の太郎株の花アップ  右写真は摘んだ花・蕾 
 (花芽摘み数 太郎株3ヶ・三郎株2ヶ)
 
 
2014年1月31日 現況 
 
 
2014年1月31日の様子 
 
 
  2014年1月31日の三郎株の花

 2013年12月1日の摘花以降に三郎株に
 花芽が3つ誕生 一子目が開花。

 今回は低温期の結実観察の為そのまま
 見守ることとする
   
 2014年2月26日 現況
 
 
2014年2月26日の様子 低温期にもかかわらず生育良好。
(防寒対策は特に無し、ただ過湿にならぬよう 水やりを行っています)

 
   2014年2月26日の三郎株の花
上の写真からほぼ一月経過、8日と14日
の大雪に埋まりながらも今に至る。

左 2番花 真中 1番花 右 3番花

(所感)
先の写真(1月31日)の花が、左写真の
真中の緑色した”実”です。定期に比べ
実成りの生育が鈍いように感じられます
 
2014年3月31日 現況 
 
 
 
 21014年3月31日の様子
気温上昇に連れ生育旺盛となる、それに伴い株間の生育差が顕著化してきた。
予想に反し三郎株が優勢、ただクラウンの充実ぶりは太郎株が勝る。

現在の蕾・花数は太郎株(9個)次郎株(7個)三郎株(21個)で開花する都度
人工授粉をおこなっています。


<課題>
ハダニ対策に憂慮、薬剤は使用したくないので有効手段を模索中。一度アル
コールを筆先に付け掻き落としてみたが然程の効果はなかった、こまめに
葉裏に水をスプレーするしか方法は無いのかもしれない
 
   
 
 三郎株の1~3番花の現況 (1月31日の
写真と照合ください)

1番果=全長24mm幅17mm
2番果.3番果は生育不良?(摘果せず観察
続行
 
 生育比較
次郎株(左)・三郎株(右)
   
4月16日 三郎株一番果収穫
   
 
 4/16 三郎株1番果収穫(34mm×32mm)

試食結果はやや甘。(もう少し肥料を効か
す必要がありそう)

2番果は生育不良のため摘果する。
 
 
   
 
 2014年4月18日 (現況)
 
 
   
三郎株のランナーの様子  太郎株の実成りの様子 
 
 4月18日早朝 水遣りの途中に三郎株にランナーの生成を確認切除する。
この時期にランナーの発生は如何なるシグナルなのか?
また、3月31日時点では三郎株の実成り優勢が顕著であったがここに来て
太郎株の成長が目立つようになってきた。
今春の異常気象(寒暖の激しさ)が影響しているのか? 
三郎株の開花直後の気温低下と太郎株の開花後の気温上昇が受粉後の
実の生育に影響を与えたように推測される。
また三郎株のランナー発生は実成り後に夏日があったことが影響している
のか? 今後の推移を見守りたい。

<補足>
三郎株の一番果は4月16日に収穫、試食結果はやや甘。(もう少し肥料を効
かす必要がありそう)
2番果は生育不良のため摘果、その他早い時期の開花した実は太郎株に
比べやや成長不良気味。
 
4月23日 生育比較 
 
<クラウン比較写真> 
 
肥料補充を兼ね株を点検、太郎株のランナー一本を確認切除する。 
 
4月23日 現況 *写真の左~右は上部写真順です。
 
写真
 株(軸)の
大きさ
 クラウンの
塊数
 花芽.実の
 過去メモ
 太郎株      60×50  3 16   摘花3 切除ランナー1
 次郎株     70×70 5  9  
 三郎株  右   75×50  5  29  収穫1 摘果1 摘花2
  切除ランナー3
 

 
 
 =観察所見=

1)太郎株
 生育順調、クラウンの塊数や大きさは他株より少ないが充実振りは秀でている。
 実の生成スピードと大きさも他株より勝っている、今のところ太郎株の欠点といわれる
 特性は見られない。

2)次郎株
 生育順調、花芽・実の数は他株に劣るが新しい新芽の展開も旺盛で今後に期待が
 持てる。

3)三郎株
 生育順調、生育旺盛で他株に先駆け花芽を形成その為低温障害で実成り発育不全
 発症、経過観察中。


3~4月の寒暖異変の影響について。
花芽形成後に低温を受けた為、実の生育不良と夏日出現に因ると思われる ランナー
の発生が見受けられ生育温度管理の重要性を認識させられた。
 
   
4/23 太郎株の実成り状況  4/23 三郎株の実成り状況
 
 
<上部写真(右)の三郎株の裏側
の状況>


小さい実がご覧いただけるが何れも
低温障害で生育不良をおこしている
ものと推測される。

(このまま経過観測を行う予定)
 
 4月27日 現況
 
 
 
 <観察所見>
 生育順調、葉つや良好。
  初代の収穫日は5月17日二代目の収穫日が4月26日
三代目 当期株においては
  三郎株の一番果の収穫が4月16日とは言え2番果以降の実は成熟途中で収穫には
  今しばらくの時間を必要と思われる。
  三郎株の低温障害と思われる実の生育不良は今だ改善されていないが落果もせず
  萎びてもいずという状態で推移中、もう暫く経過を見守りたい。
  今春になって仲媒虫(アブ・ミツバチ・etc)の飛来を視認なし。(只今までは
  全て人工授粉で対応)

  <只今の試み>
  糖度UPの為、株にダメージを与えない程度に肥料増量撒布を試みている。

   <課題>
   1)肥料成分と撒布のタイミング
   2)低温期の花芽の処置
 


 株による実成りの違い= 
 
 
   (4月27日時点に於ける各株内の最大実 計測サイズ)
  太郎株(左) 27×22   次郎株(真中) 21×18   三郎株(右) 21×16 
 
5月7日 試食 
 
 
太郎株の1番果・2番果成熟、試食を行う。

1番果=35×36
2番果=38×39

酸味が程よく食味まずまず
 
5月11日 現況 (孫による初収穫) 
 
 
 
 
 
固体指定  固体名  サイズ  重さ  5月11日の収穫数  食味ランキング
 左端  太郎株 3番果
34×32  17g  3個 4位 
左から2番目   次郎株 1番果 34×32   16g  5個 2位 
 左から3番目  次郎株 2番果  30×28  13g   3位 
 右端  三郎株 2番果  34×34
 17g  5個 1位
 
 食味ランキングは感応判定、判定者kumさん。
相対評価=市販イチゴの「当たり外れ品」と云う識別区分で言うところの外れ
品より食味良し、ただし甘さを
誇る品種よりは糖度は劣る。(評価 Kmaさん)

<所感>
栽培品種(カレンベリー)は、名前の由来となっている”枯れないイチゴ”が表し
ているように病気に強く栽培が容易と云う性質を有し、果実は「とよおか」より
やや硬く糖度と酸度はやや低めで食味良好と評されている。
上記品質評と前出のKmaさん評を勘案するに、我が家がよく買う とちおとめ
(イチゴ人気ランキング2位)の市販品の低レベルものより食味が良いという
ことは”カレンべり”のもつ食味がほぼ再現できていると評価できる。 
<参考資料 ”とちおとめ”=糖度9~15度・酸度0.65~0.70>(ネット情報に
基ずく)

今後の課題として
1)肥料の与え方
2)無農薬によるダニ・ナメクジ対策
等の課題克服への試行を行いつつ収穫を継続し、次年度株親の選定と育成
を行いたい。


 
 収穫記録
 
収穫日   太郎株 次郎株  三郎株  メモ
4月16日   -  - 1+(2) 三郎株 (2番果.3番果)は、低温障害奇形発症の為摘果。
5月7日  2   - 太郎株 1番果ナメクジ食害あり
 5月11日  3  5  5 次郎株 初収穫
5月14日   -  4  次郎株 摘果1個  太郎・三郎各1個ナメクジ食害あり
5月16日  3  -  2  
5月18日   1  -  やや酸味強い
5月19日   -  -  1  
5月21日   -  -  
 5月23日  -  -  今期一番の大きさ(44×39)・食味良
5月25日   -  1  
5月27日  (3)   -  1+(8) 太郎株(3)アオムシ食害・三郎株(8)低温障害実の為摘果 
5月29日   -  1  2 若干アオムシ・ナメクジ食害あり 食味良 
5月30日   -  -  1  
6月1日   -  1  -  
6月3日   1  1 若干ナメクジ食害あり やや甘 
6月6日   -  1  -  次郎株 最後の一粒 端整な姿小粒 やや甘
6月9日
 -
 -  1 今期最後の一粒 やや甘(食味良 / 自身 官能評価)
収穫計   11  9  24  
 
 
   
 
 5月下旬頃から虫害が顕著に観られるようになってきた。薬剤散布をしていないことで
予想していた結果ではあるが株の地力もここに来て著しく低下してきたように観察される。
6月1日現在、次郎株に3個・三郎株に2個の着果あり。
この収穫をもち次年度用(4代目)の栽培準備に移りたいと考えています。

尚、栽培実績から4代目の親株は三郎株とし栽培株は2株(現三郎株の次郎・三郎)
に決める。

4代目 栽培テーマ

1)次郎株の不調の原因究明(次年度の次郎・三郎経過比較による)
2)鉢増し(2月に予定)をおこない、株充実効果による作柄観察
3)低温期の摘果徹底


 
 6月9日 収穫終了
 
 
   
今季最後の収穫果   次年度の親となる三郎株の現況
 
 9日早朝、三郎株の収穫をもって今期の収穫終了。
昨日8日に次郎株を処分し、来期の子株育成に移る。太郎株は充実し太いランナー
を盛んに伸ばし(只今5本)
ているが、次年度親候補の三郎株は右下写真のとおり
細いランナー1本のみと株勢を落としている為梅雨期
を利用し株を充実させ元気な
ランナーを発生させるよう育成していきたいと考えています。

と、云うことで三代目育成記録はこれにて終了させていただきます。
 
 
 
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